Mind Wandering 意識がウロウロ

2016-0127-1-2

このあいだ、夕飯をの支度をしながらポッドキャストのTED Radio Hourで「ハピネス」というテーマの番組を聴いていたら、「人の幸福度とmind wandering をしていないことには相関関係がある」という研究結果を発表している人のトークが紹介されてました。

マット・キリングワースさんという科学者の発表です。
トーク自体は2011年のもので、日本語字幕つきのバージョンがTEDのサイトで紹介されています。

彼の研究は、1万5000人という膨大な数の人を対象に、モバイルアプリで「今、この瞬間に幸せか」「何をしているか」などを選択して答えてもらうというもの。
そうして集めたデータで、幸福度は、何を持っているかとか何をしているかよりも、「mind wandering」していないとき、つまり目の前のことに没頭しているときに高い場合が多いことがわかったのだそうです。

気が進まない仕事をしながら他の楽しいことを考えているよりも、気の進まない仕事に集中して取り組んでいるときのほうが幸せである、たとえ渋滞に巻き込まれていても、車の運転だけに集中している人のほうが、その瞬間は幸せである場合が多いというのです。

渋滞の中はともかく、これはきっと多くの人が実感していることではないでしょうか。

この結論は、心理学者のミハイ・チクセントミハイさんが発表している「フロー」の理論とも重なります。

で、ポッドキャストを聴きながらその「mind wandering」というキーワードは日本語にするならどう訳すかなと考えていたのですが、トークの日本語字幕ではひとつの訳語をあてず「注意散漫」「他のことを考える」「気が散る」など、文脈に合わせて柔軟に訳していました。無理なく頭に入る素晴らしい訳だと思います。

が、あえてこの言葉だけ取り出すとしたら、どんな訳がいいか。

わたしは個人的に「意識がうろうろ」する、というのが一番しっくりくると思う。
TEDの人には却下されるだろうか。

ああ、また意識があてのない旅に出ようとしている、または出てしまっている、と思う瞬間が、1日のうちにいったい何度あることか。

チクセントミハイさんは、その人がしている行為のチャレンジスキルがどちらも高いとき、人は「フロー」の状態に入りやすくなると解説してます。
「フロー」の状態とは、無我の境地ともいえるもの。自分も時間もなくなり、完全に目の前のことに没頭し、結果が出せると確信している、そのことや自分の行為について意識してさえいない状態。仕事でも芸術でも、生活のどんな場面でも、フローの時間が多ければ多いほど幸せってことのようです。

「意識がうろうろ」するのはきっとスキルとチャレンジが釣り合っていないときに起こりやすいのでしょう。
私はとっても意識がうろうろしやすいタイプ。

翻訳の仕事中「フロー」に入っているときは確かにとても幸せだといえるのですが、意識がものすごくウロウロすることも、ものすごく多い。とくに何かちょっとややこしい文章を解読しようとしたり、馴染みのない概念についてリサーチしようとしているとき、意識はもう大変な勢いでウロウロしはじめます。

インターネット空間は、意識がウロウロするのには本当にもってこいの環境ですね。

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