Source Client ソークラ

2014-0817-1

先日、日本翻訳者協会の年一回のカンファレンスというのに行ってきた。
それについてのレポートはこちらに書いてますので宜しければご笑覧くださいませ。

その関連で「ソークラ」という単語を耳にした。

なにっ?ソープラ?と一瞬空耳。

文脈から「ソースクライアント」のことだとわかるまでに、数分を要した。

これはひさびさに難易度の高い日本語でした。

長期の海外在住というのは職業柄ハンデになることもある。ので「いまの日本語」から離れすぎないように気をつけてインプットを心がけてはいるものの、流行りもののコンテクストに疎くなっていると、ぱっと見て推測のしようのない略語はとても難解なことがある。

数年前の「ガラケー」も難解だった。最初に何かの記事で目に入ったときには「柄つきの携帯電話」だと思って数日過ごしてしまった。何かがヘンだと思い、ぐぐっていくつか関連記事を読み、ようやく「ガラ」が柄ではなく「ガラパゴス」の略だということに気づいた。

「ビフテキ」「ノンポリ」「ハイカラ」など、カタカナ語の略語は明治開国以来からの日本語の伝統。
この背景には、帝国大学>帝大、高等裁判所>高裁 など、漢字熟語を略語で取り入れる伝統が下地としてあったはず。

研究したわけでないので単なる推測なのだけど、きっと明治開国以前からそういう略語の文化はあったのではないかと思う。

英語の略語というと、アルファベットの最初の文字を連ねるアクロニム(「NASA」とか「FYI」とか)が圧倒的に多い。
単語の後の部分をはしょる略語(legitimate > legit 、Democrats > Dems 、Communist > Commie など)も口語では時々みかける。

でも、2語以上の単語のあたま部分をくっつけて後を省略するという形は、ほとんど見たことがない。

イタメシ
アメカジ
アメフト
サブカル
キャバクラ
ガンプラ

など、単語の頭から2文字ずつ取った合計4文字で構成されている略語は数限りなくある。
どの文字にも母音がもれなくついてくる日本語ならではの特性なのだろう。
長い外来語もカタカナの四文字略語にしてしまうと日本語になったという感がある。
コンパクト化することで日本語との親和感が増して、言葉が表す概念も身近になありふれたものになる気がする。

英語の場合は、Television >TV  の例のように、やっぱりアクロニムにしてしまう傾向が多い。
「WTF」とか「BS」とか「YOLO」とか、ののしり言葉やワカモノ言葉でもやっぱりアクロニムが大活躍。

この違いは、英語の場合、字面にすると長い言葉でも、音節にすると意外に短いということがあると思う。

たとえば Microwave (電子レンジ)はアルファベット9文字、カタカナで書くと「マイクロウェーブ」ととても長いけど英語では3音節。話し言葉の速度感覚では日本語の3文字言葉と同じ長さなのだ。
そのへんに、英語で「とんカツ」「サブカル」「ソークラ」的な略語が生まれない秘密があるのではないかと思う。

追記
これを書いてからずっと英語の「とんかつ」系の略語例を探していたが、
PANAM
Amtrak
などがあった。でもこれはみんな企業名や商標名で、一般の名詞はまだ見つからない。

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Muffin top  はみ肉

2014-0730-1

すこし前、息子が私のハラのあたりを見て、くすっと笑って
Mom, are you baking a muffin?
と、聞いた。 なんのことか、しばらく分からなかった。

ムッ。(  ̄っ ̄) マフィントップって言いたいわけね。

Muffin top というのは、パンツを履いたときにウェストの上に「ぷにっ」とはみ出してしまう腹の部分のこと。
この間まで平気で履いていたはずのジーンズの上に、「ぷにっ」が!と気づいて愕然としたりする。
心当たりのある方、いらっしゃいますでしょうか。

気になる方は、Muffintop で画像検索してみてくださいね。(閲覧注意)。

『リーダーズ英和辞典』にも出てた!
<ローライズジーンズなどに乗った>ウエストからはみでた贅肉、おなかのはみ肉。

そうか、日本語では「はみ肉」っていうんだ!

Urban Dictionary』には
When a woman wears a pair of tight jeans that makes her flab spill out over the waistband, just like the top of a muffin sits over the edge of the paper case.
(女性がきつめのジーンズを履いたときにウエストの上にはみ出す贅肉。ちょうど紙のカップの上に乗っているマフィンの上の部分のように見える)
とあります。
「flab(贅肉)」って嫌な響きですねぇ。
そして、「flab spill out over the waistband」って、すごくそのまんまで、優れた表現だなあww。
「ウエストの上に、でろっとこぼれだしたタプタプの贅肉」って感じですか。

アーバンディクショナリーの記述(他のものも)は「女性」に限定してるけど、たしかに男性にはあんまり使わないかも。
それ、すでにマフィンじゃないでしょ、ていう規模の人もいっぱいいるけど、女性の場合はマフィン数個積み重なってそうな規模でも「マフィントップ」。

2014-0730-2

こんなものを食べてるからマフィントップになるんだよ!
て、原因と結果が1つの単語に示唆されている点でも、優れた単語表現かも………。

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