Cookie-cutter  金太郎あめ

2014-0422

アメリカの郊外を言い表すのに「Cookie-cutter (クッキーカッター)」という言葉ほどぴったりする単語はほかにない。

Merriam-Websterのオンライン辞書では
marked by lack of originality or distinction <cookie–cutter shopping malls>
(オリジナリティや特徴がない様子、例:クッキー型で押してつくったようなショッピングモール)
と説明されている。

クッキー型で押して作ったような、並べてみたらどれがどれだか見分けがつかないような、無個性なものたち。

日本語だと「判子で押したような」という言い方がありますね。

「金太郎飴みたいな」というのもある。

アメリカの都市郊外は、まさにこの「クッキーカッター」の風景。

何もなかった野山や砂漠を切り拓いて造った都会の外の「郊外」の町は、そのほとんどがハンコで押して造ったような建売住宅と個性もへちまもない大型ショッピングセンターとチェーン店だけで出来ている。

小さなドライブウェイと切って貼ったような芝生の庭、白い窓枠とこぎれいなプラスチックのドアつきガレージのついた、ベニア合板とホッチキスで建てられた建売住宅。
全米どこでも同じロゴ、同じカラー、同じような間取り、同じような品揃えのスーパーマーケット、ファストフードレストラン、ファミリーレストラン、コーヒーショップ、ショッピングモール、ディスカウントストア。

もはやある意味、クッキーカッター的風景はアメリカの原風景の1つだ。

ちょっと前(2013年12月)、シアトルタイムスに「スターバックスがクッキーカッター戦略を転換」という記事が出ていた。

世界18都市圏で350名のデザイナーを動員して、店舗マネージャーや不動産エキスパートに相談しながら「make every store at least a little bit unique, and responsive to its surroundings」(各店舗に少なくとも多少は独自の雰囲気と、その地域の特性を反映する店作りを試み中)なのだという。

創業30年たったスタバのブランド若返りを目指し、これから展開する新しい国でその土地の文化を取り入れていこうという戦略。

記事は
「critical adaptation as increasingly sophisticated consumers grow less tolerant of corporate uniformity(消費者がますます洗練され、企業による画一的なサービスを受け付けなくなりつつある現状に対する、きわめて重要な対応策)」

だという専門家の分析を紹介し、ハーバード大のNancy Koehn教授の
「Cloning isn’t sustainable among today’s global consumers
(今日のグローバルな消費者の中にあっては、「クローン」的なビジネスモデルはサステナブルではない)」
という言葉を引用している。

これはあくまで都市圏の消費者に対しての戦略であって、アメリカ郊外の風景が今後数十年の間にクッキーカッターから急速に多様化していくことはありえないだろう。

とはいっても、このスタバの戦略を見ても、以前に比べてクッキーカッター型のビジネスがかっこ悪いもの、違和感のあるものとして以前よりも多くの人から疎まれるようになった、というのは1つの事実。

エネルギー消費をより効率よくするために、もう郊外を捨てて都会に人口を集中させるべきだ、という議論もあるほど。

郊外型の消費社会は20世紀後半にはアメリカの豊かさを象徴していたけれど、たしかに、クルマを前提とした快適で豊かな郊外生活が大多数の国民の目標であった時代はもう終わったのかもしれない。というか、アメリカが豊かであった時代が終わりつつあるのか。

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LGBTQ

2014-0411

一昨年ワシントン州で同性婚が住民投票で合法となって以降、あちこちの州で同性婚を無効とする州法が憲法違反の判決を受けるニュースが相次いでいて、「LGBT」という単語をニュースで見ない日はないくらい。

今日もワシントンポストに
LBJ’s civil rights legacy and its importance of LGBT Americans
(ジョンソン大統領の遺したものと、LGBTのアメリカ人から見たその重要性)』
というコラムがでてました。
ジョンソン大統領が通した1964年の公民権法は、黒人だけでなくすべてのマイノリティが人として当然の権利のために戦う突破口になった、というオバマの演説を取り上げ、とはいえ当時はゲイの権利など政治家はまともに取り上げようとしていなかった事実も、当時の副大統領の書簡を引用して示しつつ、今では同性婚の全米での合法化は時間の問題、と結ぶ記事でした。

L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシャル、T=トランスジェンダーのLGBTはかくも日常に浸透しているけれど、息子と話していたら、高校・大学では「LGBTQ」というほうが良く見るんだという。

最後の「Q」は「Queer」なんだそうです。 Queerって、ゲイの男性に対する差別用語だったのだけど、それをあえて「普通と違う」という意味で自ら誇らしく名乗る、という。
冗談かと思ったらそうではなくて、高校や大学のクラブにもLGBTQという名前がついているのだそうだ。

onmilwaukee.comのこの記事によると、

According to Bill Serpe, the executive director of Senior Action in a Gay Environment (SAGE), “queer” is a catchall word for anyone who is outside the societal norm, not just those who identify themselves as part of the gay community.
(Senior Action in a Gay Environment (SAGE)のディレクター、Bill Serpe氏によると、「queer」は、ゲイ・コミュニティに属すると自ら考える人びとだけではなく、社会的な「ノーマル」の範疇に入らないすべての人のための、キャッチオールの呼び名だという。)

「キャッチオールの呼び名」って、すんごく幅が広すぎる気がしないでもないんですが…。

この記事は2008年のポストなので、ごく最近始まった流行というわけでもないらしく、それほど広くメインストリームで普及しているというわけでもない。
これからメインストリームになるかというと、それはどうかしら~? ちょっと余りにも間口が広すぎてとりとめがなさすぎるじゃないですか。姿勢はわかるけど。高校や大学のクラブでは誰もがウェルカムというのはわかりやすいけど、政治団体としては無理っぽいです。

さてこのQUEER、軽蔑語/罵り言葉としては「おかま野郎」とか訳されていたかと思いますが、自ら名乗られる場合には「クウィーア」とカタカナ語にするほかありませんね。
LGBTQ、市民権を獲得するでしょうか。
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http://onmilwaukee.com/buzz/articles/queerarticle.html

PHO フォー

2014-0401

いわずとしれたベトナムのソウルフード、PHO。

日本では、ユニバーサルに「フォー」と呼ばれてますが、正式な発音は「ファ」らしいですね。

ある日息子に「フォーを食べに行くよ」と言ったら、「は?」と怪訝な顔をされた。
中学でも高校でもベトナム系の友人がたくさんいたけど、皆「ファ」と呼んでいた、そうです。

シアトルにもリトルサイゴンと呼ばれる地域があるくらいで、「ファ」の店は多い。
サイゴン陥落のあと難民を受入れたため、70年代に急にベトナム人が増えたそうです。
「ファ」の店はもちろんだけど、ネイルサロンもなぜかほぼ間違いなくベトナム系。

そうそう、それで「WHAT’S THE PHO?」という名前の店もあるんだけど、これは発音がPHOの代わりに四文字言葉を最後につけたいわゆる「WTF」とほとんどおんなじだ、というシャレなのらしい。「ワットザフォー?」じゃ、シャレにならないらしい。

こんなに「ファ」の店がいっぱいあるわりに、すっごく美味しい店というのが意外にまだ見つからない。写真のPHOは、ホノルルのチャイナタウンの小汚くておばちゃんが怖いけど異常においしい、行列の出来る店。
そうそう、シアトルでは、こういう生肉が横についてくるスタイルも、見当たらないですね。

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